INVESTOR RELATIONS

中期経営計画

中期基本方針

当社グループはVISIONの実現に向けた道筋として、創業80周年にあたる2028年3月期までを対象とした中期経営計画を新たに策定しました。
中期経営計画の基本方針は「事業成長の実現」「サステナビリティ経営の深化」「資本コストを意識した経営の推進」です。

中期売上高、利益計画(連結)

(単位:百万円)
2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期※
2027年3月期※ 2028年3月期※
売上高
86,113
119,459
140,000
170,000
200,000
250,000
営業利益
5,168
7,452
8,000
9,800
12,000
15,000
親会社株主に帰属する当期純利益
3,706
5,025
5,200

※2025年5月に更新する可能性があります。

経営環境等に関する現状の認識

 リユース業界においても、資源価格の高騰及び為替相場の急激な変動や一部の国・地域との人の往来が再開されたことに伴う影響を受けました。一方、SDGsに代表される持続可能な社会の実現に向けた意識の高まりにより、生活者のリユースへの関心は高まっております。また、M&A等により、資本力のある企業を中心にビジネス規模の拡大が進んでおり、個人のお客様からの買取をはじめ、今後も競争が激化していくものと予想されます。

 このような環境の下、創業80周年を迎える2028年3月期までを1つの節目とし、90周年、100周年に向けた継続的な成長につなげていくことを目的とした中期経営計画「Beyond the 80th year milestone」を掲げ、事業成長による国内外でのシェア拡大を実現することで、競争力の強化と企業価値向上に努めてまいります。

グループ経営戦略

ブランド・ファッション事業

1. 個人買取の強化

当社グループにおいて個人買取は生命線とも言えます。そのため、直営店やFCによる新規出店等によりお客さまとの接点を増やし、個人買取を強化するほか、アライアンス等により、買取ニーズが顕在化していないお客さまに対してアプローチができる仕組みづくりに取り組みます。また、LTV(ライフ・タイム・バリューの略で、1人の顧客が特定の企業やブランドとの取引を開始してから終了するまでの間にもたらす利益)を重視したCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメントの略で、顧客との関係性を構築するマーケティング活動)の強化によって小売と買取の相互利用を促進し、既存店を強化いたします。

2. 小売事業の強化

店舗規模、取り扱い商品など、様々な店舗形態で新規出店にチャレンジすることで、今まで以上に幅広いお客さまにご利用いただきやすい環境を整えてまいります。また、店舗と在庫連動した自社ECサイトも強化し、OMO(オンライン・マージ・オフラインの略で、オンライン(EC)とオフライン(店舗)を融合させること)による顧客体験価値向上を推進し、お客様がより便利に安心してお買い物ができる環境を提供します。また、1to1(顧客一人ひとりの趣向や属性などを基とした上で、顧客に対して個別に行うマーケティング活動)によりお客様との関係性を強化し、LTV向上とブランドスイッチ(お客様が他社に乗り換えること、他社を利用すること)防止に取り組みます。

3. 法人事業の強化

国内外の新規会員の獲得とFC展開により出品を増加させるとともに、当社グループからの継続的な出品等により、法人向けオークションの拡大に取り組みます。また、在庫コントロールを目的とした法人販売にとどまらず、法人仕入、法人販売を積極的に活用することでブランドリユース市場でのシェアを高めることで優位性を確保します。

4. 海外事業の強化

当社グループの今後の成長において、グローバルでの事業拡大は不可欠です。そのため、グローバル展開への投資を積極的に行ってまいります。すでに進出済みのエリアに加え、アジア、北米を中心にエリアを拡大し、各エリアに根ざしたビジネスを展開してまいります。そのため、日本国内からの人員派遣は最小限に、現地採用スタッフによるビジネス拡大を重視しております。また、香港を軸としたグローバルな商品流通「グローバルリユースチェーン」を実現し、越境ECやライブコマースを含めた海外売上高の構成比を高め、グループの成長につなげてまいります。

5. リユーステックの強化

テクノロジーの活用によって、便利に安心して利用できる健全なリユース市場を創造していきます。AI真贋判定システムや業務基幹システムを社内外で活用すること等により、事業の効率的な運営や、当社グループへの商品の流入(仕入、オークションへの参加)拡大を図り、持続可能な社会の実現と中長期的な成長を支える手段として活用します。また、オープンイノベーション等を活用した新たなテクノロジー開発や新規ビジネスに挑戦することで、業界内における持続的な競争優位性や企業価値向上につなげてまいります。

タイヤ・ホイール事業

1. 新品タイヤ・ホイールの販売強化

株式会社クラフトでは、店舗のリロケーション、既存店への再投資により新品タイヤ・ホイールの販売を強化します。また、データに基づいた店舗イベントの設計、店舗在庫の編集に加え、SNSを使った顧客へのイベント案内や関係性構築などを通じて、天候に左右される冬商戦に依存することのない、安定的な収益確保を目指します。

2. 中古事業の再構築

株式会社オートパーツジャパンでは、好調なオンライン販売をさらに強化するため、仕入れから出品までの業務を見直し、出品量を拡大することで利益率の高い中古事業の売上高構成比を向上させます。また、新品販売と連携し、引き続き「良質な中古品」の獲得を目指します。

3. メーカー事業の認知拡大と商品開発

ホイール等の自動車部品のメーカー機能を持つ株式会社フォーバイフォーエンジニアリングサービスでは、SNSやイベント参加により、日本市場だけでなく海外市場での認知拡大活動を強化します。また、新製品の開発やメインブランドのサイズ展開を進めることで、国内・海外からの受注増加を目指します。

グループ全体の取り組み

1.人材開発と組織開発

事業の成長を支える「人材開発」と「組織開発」は中長期で取り組む重要な経営課題です。人材と組織の両輪でとらえ「パフォーマンス=どんなスキルがあるか×どんな気持ちでやるか」の基本的な考え方に沿った様々な強化施策を実施してまいります。具体的には、「働きがいのある職場環境」「キャリア形成」「多様性」「価値観の浸透」を重要項目とし、制度改定、仕組みづくり等に取り組んでまいります。

2.資本コストを意識した経営の推進

財務健全性を確保しつつ、事業成長につながる成長投資と安定的な株主還元を実施することで、資本コストを上回る高水準のROEを維持し、企業価値向上を目指します。具体的には、マージンの向上・資本効率の向上・財務レバレッジの利用に徹底して取り組むことに加え、市場との建設的な対話を通じて資本コストの抑制にも取り組みます。
なお、文中の将来に関する事項は、前連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。